あるいは

こつこつと、日々により添って、丁寧に日記を

暗雲立ち込めたる心境

前職でミーティングの時間を2回もずらしたことを怒られたなあと思い出しながら朝寝をしたら、前職の人たちが出てくる夢を見た。

 

前職、とても自分に合う仕事だったと思っているけれど、いかんせん「なんでもやさん」だったので大変だった。同じグループに事務所全体のマネージャーがプレイヤーとして混ざっていたので、マネージメントの新聞記事を朝礼で読み上げておいてほしい、などと全く新入社員がすべきではないことを頼まれることが多かったのは苦痛だった。偉い人が読み上げるべきものを新入社員が読み上げることで、長く働いている社員からの目線が厳しくなっていたように思う。社内でのメール代替品として運用していたアプリでダイレクトに「新入社員のくせに」精神がつまったお叱りのコメントをもらったのにはもしかすると、マネージャーと親しく働いていたのが原因だったのではないかと今になって思う。

 

同じグループの人たちは新入社員の私にも分け隔てなくフランクに付き合ってくれたし、分け隔てなくいろいろな仕事を振ってきたので、私は彼女たちと対等に仕事をしていると思っていたようだった。「ようだった」というのは、当時はそういう態度をとっていたと気づいておらず、今朝唐突に気づいたからだ。私は彼女たちと「同じ」仕事をしているので「対等」だと思い込んでいた。

もちろん、礼節をわきまえていなかったわけではないし、失礼な態度をとったわけではなかったけれど、毎週先輩の予定に合わせてずらされてばかりのミーティングだったので、私も都合が悪くなれば時間変更をしてもよいミーティングだと思ってしまっていたのは、全くよくなかった。「分け隔てない」ことは「対等である」ということとは別問題だったのだ。先輩はしてもよいが私がしてはいけないことというのはあるのだ。私が私の都合により2回もミーティングの時間を変更したあと、先輩は「自分勝手すぎる」と私に言った。今思い出すと、とても恥ずかしい。

またある時は別の先輩社員に「誰も教えてくれないことだから言うけれど」と前置きをされたあとに「あなたからあの人にあんな頼み方をするのは大変失礼だ」という旨のお叱りを受けたことがある。「あの人」というのは別のグループの一番偉い人で、偉い人ではありながらもプレーヤーでもあったので私が普通の社員に頼むようなやり方でその人に話したのが目についたらしい。そういうことを知らずに、頼んでしまったのが悪かったのだ。

 

怒ってくれる人、注意してくれる人というのは、私のためを思ってそうしてくれていると思うのでとてもありがたいことなのだし、もちろん世間知らずの私が勝手に「対等」だと思い込んでしまったのが悪いのだけれど、現場と言うのは「フランク」を謳いながらも当然いろいろな段差があり、このようなことが生じる。現場に入らないとわからない段差が、新しい会社への入社を控える今、私にはとても恐ろしく、巨大な不安要素なのである。

 

入社後のスケジュールを見て、13日間休みなしの期間があることに気づき、ゾッとしている。こういうことは往々にしてあるものなのだ……。台風がなかなか去らず、暗雲立ち込めたる今の空に似て私の心はひどく暗く湿ったものとなっている。