日々の記述

ここでは日記を書いています。/庵乃さか:X@saracara1899

24.09.23〜29 つややかな黄味の誘惑

 

2024/10/01㈫17時
 このブログを書くに当たってわたしは「毎週書く」「一週間のことを書く」「文章力アップのために書く」「小説に書かないことを書く」「小説を書くことを圧迫しない程度の力量で書く」というルールを設けている。また「他者をむやみに傷つけない」「他者のことをむやみに書かない」というルールもある。書かれても平気そうだな、というような遠い遠い人たちのこと(関係が遠い場合と時間が遠い場合がある)はありがたく無遠慮に書くこともあるけれど、制約は多い。
 自分で自分に制約を課して書くとき、何なら書けるのか、と頭を使う。頭を使って書くのがたぶん良いことだと思う。X(そろそろTwitter(現X)という表記に飽きてきたので今月からいよいよXと書こうと思う。)のように、指一本でさっと開けて、脊髄反射のごとき感情を垂れ流すもの――も、まあ、良い側面もなきにしもあらずだけど――ばかりではいけないと思う。
 だからブログに日記を書く。この記事を書くために、「不用意に書かないために」と題した捨て文章を、原稿用紙25枚分書いて毒抜きをしたあとに書き始めるあたり、つくづく面倒くさい人間だなあと思うし、「小説を書くことを圧迫しない程度の力量で書く」というルールが毎週破られてしまうのだけど、書く。
 先週の月曜日の出来事を振り返る意味がわたしにはもうわからない。自分用日記に残してあるのにね。さらっと身軽に書きたい。けれど文責がある以上身軽には書けない。でもでも、そうやって自分で自分を窮屈にして書くことがきっと大事だ。なんでもかんでも書けばいいというものではない。なんでもかんでも書くのは自分用の文章だけで良い。何十枚もの誰にも見せない文章が日々生まれ、それは誰にも読まれることがないし、わたし自身でさえめったに読み返すことがない。

 

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24.09.23㈪
 チーズちくわを食べた日。
 いつのことだったかもう忘れてしまったけれど、振り返ればいついつと書いてある。けれど振り返らないので、やはりいつのことだったのかもう忘れてしまったけれど、夫が帰宅する前にチーズちくわを一人で食べきってしまったことがあったので、改めてチーズちくわをこしらえて夕食の一品にした。作り方は簡単で、ちくわを縦半分に開くように切って皿に並べ、ピザ用チーズをたっぷり振ってレンジで温めるだけ。夫はちくわが好きだけれど、チーズが大好きというわけではないので、結局わたしがほとんど食べた。チーズちくわには七味を振りかけると美味しい。とろけたチーズと七味の相性は良い。このとき、ちくわ自体は美味しさにあまり影響を与えていない。
 この日は、祝日だったのに夫が急な仕事でいなかったので、わたしは「庵乃さか 名刺代わりのポートフォリオ2024」のサンプル品を作って楽しんだ一日だった。クラフト紙の付箋を、A4用紙16分の1サイズと同じサイズに切って表紙としてみたら小さな本みたいになって、かわいくてかわいくてしかたなかった。かわいいかわいいとテンションが上がるあたり、つくづく本という物体が好きなのだなと感じた。本が好きなので、自分の本を作りたい。ポートフォリオ作りは2024年の「めあて」に入っているので、12月中には作ろうと思う。できるだろうか。……締め切りを決めればできないことはないと思う。絶対作ろう。2024年末締め切りで。

 

24.09.24㈫
 目玉焼き乗せ焼きそばを作った日。
 深夜に帰宅する夫に温かい食べ物を、と思って、わたしは食べないつもりで夫のために焼きそばを作って待っていたら、目玉焼きを乗せてほしいというリクエストがあったので目玉焼きを乗せた。目玉焼きに目がないわたしなので、出来上がったものを見たら食べたくなってしまい、深夜に一緒に食べる羽目になって大失敗だった。目玉焼きの、つややかな黄味の誘惑に弱すぎるので、目玉焼きは自分で焼いてもらえば良かった。次からそうしよう。

 

24.09.25㈬
 食べ控えの日。
 この頃食べ過ぎている自覚があり、自覚通り体重が増加の一途をたどっているので、食べ控えの日にしようと思い、夕食は焼き豆腐に、いつかどこかで買ったお土産の「ニラ味噌」というものを塗り、レンジで温めて食べた。レンジで温めた豆腐は空気が膨れてふかふかして美味しい。食べ控えのつもりが美味しくてあっという間に一丁食べてしまい、あれれ……となった。豆腐が大好きなので、食べ控えに豆腐は向かない。次から気を付けよう。

 

24.09.26㈭
 四次会まで飲んで、暴飲暴食をした日。
 五年前に勤めていた会社の上司が大阪から仙台に出張で来ており、飲もうと誘われていたので行き、様々な話をしながら日本酒をたくさん飲んだ。わたしは「ざる」なので、顔こそ少し赤くなるけれど、酔ったからどう、ということがまるでなくて、飲みたい人が飲み相手ならどこまでも付き合って飲むことができる。けれど飲みたくない人が相手なら一滴も飲まなくても平気で、普段自宅では一滴も飲まない。
 この日は大酒飲みが相手だったのでわたしも全力で飲んだ。一次会はわたしのお気に入りの日本酒飲み放題がある居酒屋にした。種類が豊富なので元上司にも喜んでもらえた。そのお店では大崎市の「宮寒梅」をいつも飲んでいる。宮寒梅はフルーティで飲みやすい甘口の銘柄なのだが、たまには新規開拓もしなければなと思ってこの日は初めて飲むものに色々挑戦してみた。その結果盛岡市の「AKABU」がとても美味しいことがわかった。
 「AKABU」は、ずいぶん前に新幹線の中で読んだトランヴェールで赤武酒造が特集されていたことがあり、同じ大学の同級生が作り手として載っていたから気になっていた。その同級生はわたしのことを知らないだろうけれど、飲みながら、話したこともない同級生の人生を少し想った。いろんなところでいろんなひとが働いている。当たり前のことなのに、こそばゆい気分になるのは、こういうとき。

 

24.09.27㈮
 ハンバーグを煮込んだ日。
 冷凍庫にいつからあったのか分からない冷凍ハンバーグがあり、賞味期限が迫っていたのでトマト缶詰と煮込んで煮込みハンバーグにした。「いつからあったのかわからない」という状態に唖然として、生活をひとつひとつ大切にしていない証拠だなあと思った。
 日中、Xを見ていたらAIの描いた絵ばかりUPしているアカウントに行き着いて、その絵の一枚にわたしそっくりな絵があって驚いた。真ん中分けの髪型はもちろん、俯いて微笑む頬の肉の盛り上がりとほうれい線がわたしそっくりで、違うところと言えば絵は二重まぶたで、わたしは一重まぶたなところぐらいだった。眉毛の感じといい、歯並びといいわたしそっくりだった。保存して夫にも見せたが夫も似てるねと言って笑った。わたしの顔はよくある顔としてAIに認識されるタイプの顔なのだろうか? 十二単を着ている絵だったから、わたしは日本顔ということなのだろうか。小学校の頃、道徳の教科書の挿絵にもわたしそっくりの絵が描いてあって驚いたことがあったことを思い出した。そんなにありふれた顔だろうか。自分に似た人間にはあまり出会わないのに。他者がアップした絵でなければ自画像に使いたいくらい似ていた。

 

24.09.28㈯
 肉蕎麦を食べた日。
 日中はせんだい文学塾に行き、良い刺激を受けた。頭の中が小説のことでいっぱいになり、創作意欲に塗れながら帰宅すると、夫がお腹をすかせて待っていて、恨めしそうだった。それで慌てて蕎麦の準備をした。
 めんつゆを切らしていたので、鰹節と椎茸で出汁を取り、醤油とみりんでつゆを作ったら、なかなかの味になって美味しかったけれど、次のための買い物メモにはめんつゆと書いた。

 

24.09.29㈰
 きゅうり炒めと鶏大根を作った日。
 突然夏が終わったせいでそろそろ夏野菜ともお別れかなと思っていたところ、スーパーできゅうりが安く手に入ったのできゅうり炒めを作った。きゅうりに火を通すとアスパラガスのような味がして美味しいということを、今夏初めて知った。初夏にはきゅうりの肉巻きにして作っていたのだけれど、肉を巻くのは時間がかかるので、切って肉と炒めるだけの料理でもいいと思ってからはきゅうり炒めになった。火を通しすぎないくらいが美味しい。
 それからスーパーで大根も安くなっていたので鶏大根も作った。大根を見ると冬の始まりを思う。細い大根だったからまだ旬というわけではないのだろうけれど、野菜の価格変動に季節を思わないではいられない。
 大根は消化にいいので、今年の冬もたくさん食べるだろう。大根を食べるたびに徒然草の大根の武士を思い出す。わたしが恩返しされるとしたら豆腐かもしれないけれど、豆腐の武士よりは大根の武士のほうが助かるだろうから、大根をよく食べようと思う。

 

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2024/10/01㈫18時
 原稿用紙10枚になった。これで、今日ブログを書くために書いた文章は35枚になった。何をやってんねや、とエセ関西人の自分が出てくる。何やってんやろね。
 文章は、書く「だけ」では上手にならないと思う。「だけ」でいいことなんてこの世にはほとんどない。改めて思う。それに文章「だけ」上手になっても、小説を書くには足りない。頑張りましょう、要努力、精進しましょう。自分に言えるのは、ただそれだけ。
 日記を書き始めたのは12歳なので19年目、小説を書くことを「仕事にしたい」と思った、作家になりたいと思ったのは14歳だったので17年目、もうすぐ20年目と18年目になってしまう。進歩が遅い自分に、無職期間も長くなってきたせいか、やきもきしている。早く早く、早く。もう10月。今年はこのまま終わらせるわけにはいかない。あと三ヶ月間で何ができるか、何をすべきか、考えて書く。