2024/11/04㈪㈷20時
先週は、まんべんなく体調が悪かった。
胃痛があって軽い吐き気があるのは眠れば治るから眠ったら、眠りすぎなのか頭が割れてこのまま帰らぬ人になりそう、というレベルの頭痛がした。閃輝暗点があって視界不良があったり、一度治った掻き傷の痣がまた痒くなって搔いてしまったり、顔全体の肌荒れ、歯磨きで勢い余って作った口内炎の痛み、じくじく赤く腫れた扁桃腺、身体の浮腫、もうどうにでもなれと過眠したり暴食したり報復性の徹夜をしたりして、自暴自棄な一週間だった。でも小説の原稿はひとつ上げた。エッセイも含めてみっつ上げる予定だったのにひとつ「しか」上げられなかった、とも言えるけれど、ひとつ上げた。それだけは頑張った。
そんな状態の体調不良で、書くのにおもしろいことがほとんどなかったので、先週は「考えたこと」日記にしてみた。考えたことなんて一瞬のことなのに、並べてみると体調不良なんてない一週間みたいに見えるから不思議だ。
以下が先週の、「考えたこと」日記。
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24.10.28㈪
冬に向かう秋の寒さは嫌いじゃないなあ、と、二十時頃、夜の駅で電車を待ちながら考えた日。
働いているときに季節の移ろいを感じるのはたいてい、夜の温度変化と日の沈む早さの観測だったなあと懐かしんだ。近ごろ家から一歩も動かない日が多いので、久しぶりに夜の寒さに気が付いた日だった。
24.10.29㈫
恩師に1000年生きてほしいな、と思った日。
正確な年齢は教えてくれたことがないけれど、おそらく八十過ぎの恩師。恩師に会おうと思いついて、恩師には長生きしてほしいなと思った。でもそう思うこと自体が不吉で寂しくて、慌てて取り消しながら、でも取り消せない。だって大切な人には1000年生きてほしいから。でもそんなの無理だとわかっている。でも無理だとしてもやっぱり思う。何回も思う。
24.10.30㈬
親孝行ってなーに、って考えた日。
「でもそれを考えようとすることがもう、親孝行なのかもしれない」と口ずさむと都合がいい。自分が作った美味しいきんぴらごぼうを食べながら、近くに住んでいたらお裾分けするのにね、と空想した。空想するだけの親孝行。空想の中の両親。空想の中のわたし。親の心子知らず。子の心、親知らず。
24.10.31㈭
謝って許されないことに対してわたしは謝らない節があるなと思った日。
昔からそうなのです。開き直りというよりは、謝られても許せないだろうな、というくらい酷いことをしたら、謝った事実さえ自分に与えてはいけないと思っている。謝罪に対してストイックな精神を求めてしまっている。「謝罪するなら誠心誠意」と本当に思っている。心にもない謝罪はしたくない。そしてしないでほしい。
けれどそう言いながらも形だけの謝罪を要求することもあるのですでに矛盾している。夫がふざけてわたしのものまねをするとき、「謝って!」と言うのも、たぶん知らず知らずのうちに謝罪を要求するわたしのスタンスがにじみ出ているからだろう。
24.11.01㈮
萌え袖ならぬ萌え裾だ、とデニムを履くときに裸足の爪先を見ながら思った日。
「萌え袖」自体、もう死語かなと思いつつ、デニムからはみ出す足の指かわいい、と思って写真を撮ったのだけれど、足の爪先なんて人様に見せられるものではないなと思ってそのまま消した。
24.11.02㈯
久しぶりに会う義姉に、「さかちゃん今日、元気なかったね」と言われてしまい、わかるものなんだな、と思った日。
法事で帰省した。故人のことは大切な人だと思っているけれど、それとは別に、お墓の列に並びながらちょっとぼんやりしていたら義姉が気付いて、「心配していたよ」と義母が言ったのを夫から伝えられるという一巡で知り、ぎくっとしてしまった。
24.11.03㈰
誰だってないものねだりばかりする、と思った日。
三十五歳のバツイチ女性が主人公の漫画が無料で公開されていて読んだ。漫画を読んで、未婚の人は既婚の人を、既婚の人は未婚の人を、子どもがいる人はいない人を、いない人はいる人を、選ばなかった人生を、選べなかった選択を、想うものなんだなあと感じた。けれど思う気持ちも人それぞれ。うらやましいと思うのか、それともばかだと思って見下すのか。
わたしだって思う。こんな人生でこんな生き方を選ぶこともなければ今こんなじゃなかった、って思う。「こんな」の中身を何一つ打ち明けられないし、打ち明けるつもりもないけれど、誰かに向かって泣きつきたくなる日がある。誰かっていうのはたぶん、閻魔様みたいな、全部お見通しの超越した存在のこと。わたしがわたしの判断に至った理由を言い訳するのがそもそも難しいから、最初から全部を知っている閻魔様がいるなら全部打ち明けたいけれど、最初から全部を知らない人には全部は打ち明けたくないなと思う。
でも本当は、今のわたしに至った理由を説明すべきなんだなと思う。説明したい人を持つべきなんだなと思う。でもでもでも、誰だってみんな、全部を打ち明けられる人なんていないんじゃないのと思う。みんなそれぞれ孤独なんじゃないの。それぞれ孤独に独立した世界を持っていて当然なんじゃないの。でもそれがちょっと寂しいときがある。子どもみたいでしょ。子どもなんだよ。
そんなことを考えた日だった。
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(▲元気はなくても食欲はあり、お寿司屋さんで食べたとろたく手巻き。とろたくが大好き)
▼試験的に、はてなブログの機能をいろいろ試してみようと思います。まずはグループバナーの貼付けから。ブログ開設から七年目にして初の試み。うまくできるかな。